【獣医師監修記事】ノミ・マダニ予防について

健康・病気

3月に入り、気温があがり季節が春めいてきましたね。人間にとっても動物にとっても過ごしやすい季節です。春になると動物たちは活発になり、そして同様に動物の体に付く虫たちも活動が活発になります。今回は、春になると現れる外部寄生虫(体の表面に付く寄生虫)のうち、主にノミとマダニについてお話します。

 ノミとマダニとは?

ノミ、マダニはどちらも動物(人を含む)の体表にくっ付き血を吸う寄生虫です。ノミは気温が上がってくる(13~15℃以上)と活動をはじめます。マダニは通年で活動できますが、気温が高くなってくると、より活発になるといわれています。ノミ、マダニについてそれぞれみていきましょう。

 ノミ

ノミは6本脚からなる節足動物で、昆虫の仲間です。成虫の大きさは1㎜~9㎜程度で 、人を含む哺乳類の体表で吸血しながら生活します。体は硬く、流線型をしていて素早く動物の体表を動くことができます。ノミの寄生による主な症状は、刺咬に伴う痒みや赤みです。またノミの糞による皮膚アレルギーも起こることがあります。ノミは寄生する動物にこだわりはあまりないため、イヌ⇔人、ネコ⇔イヌなど容易に種を超えて寄生・吸血します。もちろんブタさんも例外ではありません。

マダニ

マダニは8本脚からなる節足動物で、昆虫ではなくクモやサソリに近い生き物です(昆虫は6本脚)。家の中に住むダニ(イエダニやツメダニなど)とは異なり基本的に藪などに棲息しています。大きさも、イエダニなどの微小ダニの大きさが1mm以下なのに比べて、マダニの大きさは3~4mmほどのため目視することができます。また吸血後はさらに大きくなり1~2㎝程にもなります。普段は草の上や地面にいて、動物が近づくと体に付着します。ノミや蚊のように針状の口をただ刺して吸血するのではなく、はさみの様になっている口で、まず皮膚を破りその後、口を刺し込みます。さらにセメント質の物質を分泌し容易には外れないように皮膚と固定することで何日もかけて吸血を行います。吸血に満足すると体表から離脱します。症状としては、ノミと同じように吸血部位の痒みや赤みですが、ノミに刺された場合よりも大きく腫れることもあります。寄生する動物は人を含む哺乳類であるので、こちらもノミ同様、オーナーさんやブタさんは注意が必要です。

 ノミとマダニの怖いところ

ノミとマダニは人を含む哺乳類や鳥類などに寄生し吸血を行います。
吸血部位の痒みや腫れや赤みなどの直接的な病害のほかに、それぞれが媒介する感染症にも注意が必要です。
例えば、ノミは、瓜実条虫(いわゆるサナダムシの仲間)の幼虫を体の中に持っていることがあり、その幼虫をノミと共にイヌやネコが食べてしまうと感染し消化器症状を起こします。そして人にもこの瓜実条虫は感染するといわれています。
マダニの場合はさらに注意が必要です。ニュースなどでSFTSという言葉を聞いたことはないでしょうか。SFTSは重症熱性血小板減少症候群といい、マダニが媒介するウイルス性の感染症です。人間がマダニに咬まれたり、感染している動物の唾液や血液が体内に入ると感染し、発熱・下痢嘔吐などの症状を起こし致死率が10~30%あるとても怖いモノです。近年、SFTSウイルスを持つマダニが日本に増えてきており、イノシシや猟犬で感染が増えています。山登りする方にも注意喚起がなされており、マダニが棲息している場所を散歩するイヌ、野良ネコなどの感染事例もあります。

 上記以外の様々な病原体も媒介しますので、ノミとマダニを予防することが重要になってきます。

 予防について

お散歩をしているブタさんはもちろんですが、完全室内飼育のブタさんでも、家の周りに野良猫がいる、藪が近くにあるなどの環境要因が揃うと、オーナーさんの服にくっ付いて、ノミやマダニが家の中に入ってくることがありますので、予防を検討したほうが良いです。
マイクロブタさんはまだイヌ・ネコちゃんほどメジャーな伴侶動物ではないため、専用のノミマダニ駆虫薬は気軽に手に入る状況ではありませんが、イヌ・ネコちゃんのものを代用することは可能ですので、かかりつけの動物病院にて相談して、予防をしましょう。
予防薬には、背中に滴下するスポットタイプ、食べるチュアブルタイプがあります。
予防期間は、地域差がありますが、4月~10月ころが一般的です。

 まとめ

・気温が13~14℃を超えると、ノミやマダニの活動が活発になる。
・ノミ、マダニは共に動物の体表に寄生し吸血を行う。
・直接的な症状は吸血に伴う痒みや赤みだが、さまざまな人獣共通の病原体も媒介するため注意が必要。
・ブタさん専用のノミマダニ予防薬はないため、動物病院に相談し処方を受ける必要がある。

ブタさんがノミとマダニに寄生されることを予防することがとても大事です。またノミやマダニは人獣共通感染症を媒介するため、オーナーさんの健康を守るためにも予防を行っていきましょう。

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mipig 編集部
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